周りの人より繊細で敏感、感受性が強い、自己否定が多いという特徴のいずれかもしくは複数に当てはまる人は、もしかしたら「HSP」かもしれません。
今回は、最近よく聞かれるHSPについて考えます。
HSPの概要
「HSP」とは人の気質を表す言葉で、以下の英語の略称です。
HSP:Highly Sensitive Person(直訳:非常に敏感な人)
1996年にアメリカの心理学者エイレン・アーロン博士により提唱された言葉で、比較的新しい概念です。
それまで内向的、社会性がないなどといわれてきた性格には、生まれながらの気質がもとになっている場合があることを、心理学・脳科学の観点から議論して概念化しました。
アーロン博士の研究によれば、どの国でも人口の約15%~25%程度、およそ5人に1人がHSPに該当するといいます。
HSPの特徴
HSPには以下のような特徴があります。
- 外からあらゆる刺激に敏感で疲れやすい
- 他人の感情に影響されやすい
- 人にどう思われているのかが非常に気になる
- 自己肯定感が低く、自己否定が強い
- 他人といるのが疲れるので一人を好む
HSPは繊細な感受性を持っているため、上記のような特徴として現れやすいです。
そして重要な点は、HSPは生まれながらの気質であるということ、つまり努力でそうそう変えられるものではないということです。
HSPかどうかを診断する統一的な方法はありませんが、心理テストのようなものでHSPの程度を見るものは、ネットや書籍などにたくさんあります。
自分がHSPかどうか気になるようでしたら、たとえば以下のサイトで簡単な質問に答えていくと程度をチェックできます。
HSP診断テスト – 選ぶだけの簡単セルフチェック (hsptest.jp)
質問は48問で直感的に答えていけば3分程度で完了します(ちなみに私はHSP中程度との判定でした)。
HSPの生き方
●自分を認めてあげる
HSPで悩んでいる人は、その特徴から自己否定をしてしまうことが多いのではないでしょうか。
前述したとおり、HSPは生まれながらの気質ですので、変えようとするのは無理があります。
逆に言えば、変えようとする必要がなく、ありのままを受け入れる方がいいことになります。だって、生まれながらの気質なんですからしょうがない、と割り切りましょう。
これはある種の言い訳ができたことになります。
今までこの性格をどうにかしなきゃ、もっと前向きに、積極的に、社交的に、、、と変わろうと自分を責めていたところに、「それは生まれながらの気質でHSPです」と名前があたえられたのです。
「だってHSPだからしょうがないんだ」でいいんじゃないでしょうか。
●人付き合いを頑張らない
人付き合いが苦手で、大人数といると疲れてしまうことも多いのではないでしょうか。
社会の中で生きている以上、人と関わらずには生きてはいけませんが、苦手なことを頑張りすぎて自分をすり減らしてしまうことはありません。
何かと比較なんてする必要はなく、自分の心地いいペースでいることを優先させましょう。
人は人、自分は自分、ちょっと変な人でもいい、嫌われてもいい、自分のことは自分が好きであればいい。
人付き合いも必要最低限でいいと思いますし、頑張らないことにすると気が少し楽になります。
飲み会なんて行かなくてもいいでしょうし、もし参加したのならば、それだけですでに120点です。
●環境の刺激を遠ざける
音や光、臭いに敏感だという方もいると思います。敏感だと思っていなくても、長時間にわたってその刺激を受けていると疲労感やストレスとして蓄積されているかもしれません。
なるべく刺激を受けないように、難しければこまめに刺激から距離を置いて休憩をとるように心がけましょう。
私は事務所での仕事で周りの話し声や音が気になってしまうときは、イヤホンをつけてリモート会議しているかのように振る舞うことがあります。
まとめ
HSPは生まれながらの気質です。
HSPは、その他大勢の非HSPに囲まれて、息苦しさの中で生きています。
ここでは取り上げませんでしたが、HSPが人より優れている特徴がいくつもあります。感受性が強いので、人の心境を察知したり、勘がよかったりなどの特徴があると言われています。
自己肯定感が低いと、人より優れている部分があると言われても、それをなかなか肯定できない場合が多いと思います。ネガティブな側面ばかりに目がいき、せっかくのポジティブな側面にも盲目です。
ですので、まずは自分のことを知って認めてあげることを最優先とすることが大切だと考えます。
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