お金の起源が石や貝であったことをご存じの方は多いと思いますが、そもそもなぜお金が誕生したのでしょうか。その背景にお金の必要性と機能が隠れています。
今回は、お金の成り立ちとその機能について考えてみます。
物々交換の問題点
お金が誕生する以前、人々はお互いの欲しいものを物々交換によって得ていました。物々交換には次の問題点があります。
- 要求の二重一致が必要
- 交換レートが曖昧
- 時間とともに価値が低下する
■要求の二重一致が必要
要求の二重一致とは、自分が欲しいものを相手がもっていて、同時に相手がほしいものを自分がもっていることをいいます。そうでないと、物々交換が成立しません。
■交換レートが曖昧
交換する際のレート(比率)に基準がなく、交換数量を決めるのが大変です。
■時間とともに価値が低下する
食べ物の例がわかりやすく、たくさん生産・獲得しても、やがて腐っていき価値が低下していきます。食べ物でなくても破損や劣化があり、使えるうちに使う必要があります。
お金がもつ3機能
物々交換の問題点を解決するものとして、交換を「仲立ち」する存在が現れました。それが石や貝などで、お金の始まりともいわれます。
お金は次の3機能をもつ存在です。
①交換手段
ものの交換を仲立ちし、要求の二重一致を解決します。お金はいろんなものと交換でき、みんなが欲しいものだからです。魚が欲しい農家は、野菜が欲しい漁師を探すのではなく、お金を差し出すことで魚を交換してもらえるようになります。
②計算尺度
ものの価値を定める基準となり、スムーズかつ等価な交換をすることができます。
③価値保存
お金という形で保存することで、ものとの交換を将来に持ち越すことができます。
こうして誕生したお金は、より便利で広く使われる形を求めて、貴金属コインや紙幣へと進化していくことになります。
まとめ
お金とは交換手段/計算尺度/価値保存の機能をもつ存在であり、物々交換の問題点を解決する「仲立ち」として誕生しました。
形は違えど、現在のお金も「お金がもつ3機能」をちゃんともっていて、これはお金の基本的な性質になります。
次回は、貨幣から流通貨幣(=通貨)になるまでの流れとその条件について考えてみます。
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