投資とギャンブルは何が違う?悲劇を回避するための注意点3つ

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 投資とギャンブルの違いを人に伝えるなら、どう説明しますか。これらはどちらも、お金を出してそれが増えたり減ったりする、という点では似ていて混同されがちですが、お金のリテラシーがある人はその違いを認識しています。

 ギャンブルは投機ということもあり、こちらの表記のほうが意味がとりやすいため、ここではギャンブルと投機を同じ意味で用いることにします。

 今回は投資と投機(ギャンブル)の違いについて考えます。

投資とギャンブルの違い

 結論から言うと、投資と投機(ギャンブル)には、以下の表のような違いがあります。

投資投機(ギャンブル)
意味お金を「資」に投じるお金を「機」に投じる
期間中長期短期
リスク比較的「低」比較的「高」

■意味からみる違い
 投資とはお金を「資」に投じることで、ここでいう「資」は資産のことを指します。投機(ギャンブル)とはお金を「機」投じることで、ここでいう「機」とは、機会、チャンス、タイミングのことを指します。考え方として、一番わかりやすい切り口だと思います。

■期間からみる違い
 一般的に投資は中長期、投機(ギャンブル)は短期といえます。明確な基準はありませんが、およそ中長期は年単位で短くとも数ヶ月程度、短期は長くても数ヶ月、短いものだと数秒のものをいいます。

■リスクからみる違い
 一般的に投資は投機(ギャンブル)に比べてリスクが低いです。明確な基準はありませんが、1年のうちに何度も数十%以上の下落をするようなものは投機的といえます。しかし、投資であっても世界的な経済危機(リーマンショックやコロナショックなど)の際は半値程度になることもあります。

 上記のような違いはありますが、その境界は実に曖昧です。投資と投機(ギャンブル)ははっきりと分かれた別物ではなく、連続的につながっていてグラデーションがあります

 境界が曖昧であるため、投資をしていたつもりが、いつの間にか投機的になってしまっていて、想定以上の損失を被ってしまった、ということはよく聞く話です。

これらは投資かギャンブルか

 上記を踏まえて、いくつか例を考えてみましょう。

●パチンコや競馬など
 わかりやすい投機(ギャンブル)の代表格です。いづれもチャンスにお金を投じて、短期勝負で大きく増えるか使った分は全部なくなるかです。

●金(貴金属)
 わかりやすい投資の代表格で、歴史が非常に長い投資対象です。暴落のタイミングを狙って買うこともできますが、中長期保有が一般的です。歴史的に見ても、株などに比べてリスクは低く、安全資産ともいわれます。

●国債や不動産など
 投資の代表格ですが、投機的な銘柄や物件もあります。いづれも基本的には資産にお金を投じて、一般に数年以上の保有により、年数%~十数%程度の利回りを狙います。

●株やFX
 対象の銘柄や通貨ペア、取引の仕方で投資/投機(ギャンブル)のどちらにもなりえるグレーゾーンです。たとえば、配当金や値上がりを狙った優良株の中長期保有や、金利や長期的円安を狙ったドル円の中長期取引は、投資ということもできます。しかし、デイトレードと呼ばれる1日のうちに何度も売買を繰り返して、利益を狙う取引の方法は、まさにタイミングを狙った短期的な投機といえます。

●投資信託
 投資と名がついている通り、ファンドや取引方法を間違わない限りは投資です。つみたてNISAやiDeCoなどで購入できるファンドは投資対象として適格です。また、投資信託は時価が1日に1度しか更新されませんので、そもそも短期での売買には不向きです。

●仮想通貨(暗号資産)
 資産と名がついていますが、ほとんど投機(ギャンブル)です。積み立てなど長期保有を前提として買うこともできますが、リスクを計るには歴史が浅すぎます。近い将来、量子コンピュータのニュース1つでシステムが崩壊し、一瞬で無価値になってしまうかもしれません。

悲劇を回避するための注意点3つ

 投機(ギャンブル)は悪いことなのでしょうか。私はそうは思いません。投機(ギャンブル)はエンターテイメントの一面を持っていますし、株やFXなどは投機筋がリアルタイム取引を支えていて、経済活動の潤滑油となっています。

 自分のやっているものが投資/投機(ギャンブル)のどちらに寄っているのかをちゃんと認識して、どの程度リスクがあるものなのか把握しておくことが重要です。想定外の損失を被ってしまって、「こんなつもりじゃなかったのに」という悲劇は回避しなければなりません。

 大切なのは、以下3点です。

  1. リスク許容度
  2. 投資/投機の自己基準
  3. 投資/投機の認識

リスク許容度
 自分のお金が、半分になっても涼しい顔ができる人もいれば、少しでも減ったら苦痛に感じる人もいます。これは人それぞれなので、自分がどのくらいの損失になら耐えられるのかを、イメージして把握しておきましょう。

投資/投機の自己基準
 投資と投機(ギャンブル)の境界は曖昧です。前述のリスク許容度、資産の過去変動幅、売買頻度、確認頻度、などをもとに、自分なりの基準をもつことが大切です。例えば、-30%程度までなら許容できるので、資産全体でリスク資産と安全資産の割合を半々としようだとか、1週間に何度も時価を確認して売買するようであれば投機によっているな、などです。

投資/投機の認識
 自分が今しているものが投資なのか投機(ギャンブル)なのかを、前述の自己基準をもとに認識することが重要です。それも定期的にチェックすることで、投資のつもりがいつの間にか投機的になっていないか、ということを確認しましょう。

まとめ

 投資と投機(ギャンブル)の違いについて、意味・期間・リスクなどを切り口に見てきました。これらははっきりと分かれた別物ではなく、連続的につながっていてグラデーションがあります。

 境界が曖昧だからこそ、自分なりの基準をもつことが大切です。自分は資産にお金を投じているのか、機会(チャンス、タイミング)にお金を投じているのか。この違いを認識することで、「こんなつもりじゃなかったのに」という悲劇を回避することができます。

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